モンテッソーリ教育で「らしい」子育て&親育て

モンテッソーリ教育で「らしい」子育て&親育て
  • モンテッソーリ教育とは?
  • 1歳から「おうちモンテッソーリ」
  • 個性を尊重し、集中力を育てる「お仕事の時間」
  • 集中している時は邪魔をしない
  • モンテッソーリ教育は元気すぎる男の子にもオススメ

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育は、1907年にイタリアの医師であり教育家のマリア・モンテッソーリが考案した感覚教育法です。将棋の藤井聡太棋士がモンテッソーリ教育を受けていたことで、モンテッソーリ教育がますます注目されるようになりましたが、マイクロソフト創設者ビル・ゲイツやAmazonの創設者ジェフ・ベゾス、Googleの創設者のセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジなども、子どもの頃にモンテッソーリ教育を受けていたことで知られています。

モンテッソーリ教育は、特に0〜6歳の幼児教育に重点を置いており、日本ではモンテッソーリ教育の資格を持つ教師がいる幼児教室「子どもの家」や、モンテッソーリ教育を取り入れている保育園や幼稚園はありますが、モンテッソーリ教育の小学校はとても少ないです。

1歳から「おうちモンテッソーリ」

息子が1〜2歳の頃にモンテッソーリ教育に出会いました。息子は生まれつき好奇心旺盛でハイパーエネルギッシュでした。生後10ヶ月になる前にドタドタと歩き出し、動きが激しく力も強く乱暴なところもあり、いつも周りのお子さんやお母さんに謝りながら後ろを追いかけていました。育児相談にも行ったことがあります。

色々な幼児教育の本を読みましたが、その中で、モンテッソーリ教育の「お仕事」という考え方にとても興味を持って家庭でも実践できることを取り入れていました。申し込んでいた保育園に入れなかったので、幼児教室を調べたところ、家から車で20分くらいのところに「モンテッソーリ 子どもの家」があることを知り、2歳から週3回通いました。幼稚園に入ってからも週1回通いました。

個性を尊重し、集中力を育てる「お仕事の時間」

朝、子どもの家に着くとすぐにそれぞれ好きな教具を選んで遊ぶ「お仕事の時間」でした。1時間ほどおしゃべりもせずに黙々と取り組みました。所狭しと並べられたモンテッソーリ独特の知育玩具は、英才教育のようなものとは違い、成長段階に合わせて脳や運動神経の発達を促すような、五感を刺激する教具です。ひとつの作業を満足するまでやったら、自分で元通りに片付けて、また違うものに取り組んでいました。

早い段階でハサミや包丁を使うのも特徴です。お弁当の時間にみんなのコップにお茶を入れたりするのも子どもがやりました。危なっかしくても本物を使うことを教わりました。先生はいつも丁寧にやり方を見せてから、見守る姿勢で助けてくれます。自主性やその子らしさを尊重し、1人前として扱われました

落ち着きが無く、座っていられなかった息子も少しずつ、集中してお仕事をするようになりました。納得いくまでひとつの作業に集中すると、スッキリしたような落ち着いた表情になりました。子どもたちの成長を温かく見守り、「みんなすごいのよ!」と楽しみながら接してくださる素晴らしい先生たちに親の方も沢山のことを学びました。

集中している時は邪魔をしない

モンテッソーリ教育で出会った「お仕事」という概念をその後もずっと大事にしていました(今でも)。

例えば、子どもが外出中に座り込んで石を並べるのにハマってしまうなんてことがありますよね。まだかなー、早く行こうよー、なんて気持ちになることがあると思うんですが、何かにハマった時に「お仕事」を見つけたんだな、と思うと、親の方も気持ちにゆとりができます。時間の都合で急いでいる時には「あと、10個綺麗に並べられたら行こう!」なんて作業の”ゴール”を提案してみると、案外納得してくれて、10個数えながら「できた!」と満足して立ち上がったりしました。

大人の都合や、親の好みで、子どもの”やりたい気持ち”を諦めさせたり、集中を中断させてしまうことをできるだけ避けました。常にぐるぐると落ち着きなく動いている子どもだったので、何かに集中している時間がありがたく、そういう時はいつまでも放っておきました。自分が一息つける時間を作るために、息子が集中しそうな仕掛け(罠)を日頃から考えていました。

モンテッソーリ教育を知ると、親も肩の力が抜けてきます。子どもは自分で育つ力があるという考え方なので、親はその時々で子どもが求めているものに応えていけば良いからです。

モンテッソーリ教育は元気すぎる男の子にもオススメ!

子どもの家で一人前の人間として扱ってもらっていたので、その後もなるべく子ども自身に選択させるよう心がけました。習い事や本、食べるもの、遊びの予定など、相談して決めました。一人の人間として意見を聞いたり、親が悪い時にはちゃんと謝ることも心がけました。

エネルギッシュで元気すぎるの男の子だと、教具で遊ぶよりも外遊びを沢山した方が良いのでは、と思われるかもしれませんが、自分で選んだ「お仕事」に集中できた後には満たされたようにスッキリと落ち着いていました。行動を抑えつけるのではなく、”やりたい気持ち”を大人がサポートして、小さな満足や達成感を積み重ねることで、自分はできる、自分でできる、という自己肯定感も育まれると感じました。

小学校低学年の時にはまだ動きが激しく、先生からカウンセリングをすすめられたこともありましたが、3年生の頃には落ち着きました。中学生になった今ではパソコンの前に座ったまま動かなさすぎて心配になるほどです。