合格実績の良いSAPIXに入れて、先生にお任せすれば大丈夫。なんて、そうは問屋がおろさないのが、中学受験 with SAPIX。SAPIXは他塾に比べ通塾日数は少ないものの、家庭学習が多く、プリントの整理も大変。小学生の子どもが全てを管理するのはほぼ不可能。大人ですらテキストの整理や家庭学習のスケジューリングに本気で頭を悩ませるレベルで、親の負担が最も大きい塾なんて言われています。
成績が良くない時に「お子さんはここの理解が甘いので、もう少しこれをやったら良いですよ。」なんて連絡はくれません(こちらから聞けば答えてくれます)。手厚さは期待できません。SAPIX自慢のテキストと、飽きさせない討論型の授業(アクティブラーニング)を最大限活用して、親子で頑張る。それがSAPIX。SAPIXとのつきあい方については「SAPIXとのつきあい方・5つの心得」も良かったら見てみてくださいね。
息子が通った校舎では親がほとんどノータッチ(という噂で実際のところは不明)でも、最上位のα1クラスで常に上位にいる天才くんがいましたが、そういうお子さんは校舎全体の1〜3%くらいかなという印象でした。いつも上位にいるお友達もお母さん手作りの暗記ノートを持っていると息子から聞きました。大抵の親御さんは創意工夫しながら、それぞれのお子さんに合った方法で一生懸命サポートしていたし、気の合うサピママ友とは常に情報交換をしていました。
親がサポートできることは沢山あると思いますが、主な例を8つあげてみました。5〜6年生の内容と重複するところも多いですが、内容は微妙に変わっていきます。
- 一緒に勉強する
- 勉強しやすい環境づくり
- 学習スケジュールづくり
- 間違えた問題をコレクションする
- 苦手な単元を把握しておく
- 志望校調べ、文化祭や体育祭、学校説明会などのイベントに参加
- 送り迎え(必要であれば)
- 体調管理
① 一緒に勉強する
4年生のうちはとにかく勉強が楽しいと思えることが大事。受験勉強は3年間にわたる長丁場なので、はじめから攻めの姿勢では息切れしちゃいます。
テキストもまだ絵が多くて可愛さがあります。SAPIXのテキストは面白いから親も一緒にやって、解く速さを競い合ったり、クイズを出し合ったりして、特に男の子はゲーム感覚で勉強するのが一番。わざと負けて褒めることも忘れずに。得意意識ってものすごく大事で、男子は分かりやすくやる気出しちゃいます。上から教える、というより、同じ目線で一緒に、がポイントです。
4年生の頃はあまりやらなかったけれど、年間学習表は親がチェックするべきでしたね。どの回では特に何を理解するべきかがちゃんと書いてあるので、親がそれを意識して一緒に勉強&確認するとマンスリーテストで結果が出てくると思います。
初めて息子がαクラスに入れて、αクラスの保護者会に出席した時、『年間学習表』を持ってきているお母さんが結構いてビックリ。しかも書き込みがあったりして使い込まれてた。それまで開いたことすら無かったから、αはやっぱり違うと思った。。
② 勉強しやすい環境づくり
SAPIXに通うととにかく膨大なプリントの整理に頭を悩まされるわけですが、4年生のうちはまだ少ないですね。
一緒に勉強したり、食事の支度をしながら様子を見たり声かけしたいので、リビング学習が良いです。すぐに勉強に取りかかれるよう、見栄えは悪いけれどリビングにテキスト用の棚を作り、自分で整理ができるように、教科ごとに大きめのファイルボックスを置きました。
教科ごとの色分けは重要で、算数は青、国語は赤、理科は緑、社会は黄色でした。家庭学習が終わってないテキストと終わったテキストを分けて入れるため1教科2箱ずつ、計8箱あると良いです。整理が苦手な息子でも箱に放り込むくらいのことはできていましたよ。
サピにノートやテキストや資料を持っていくために教科ごとにジッパー付きのファイルケースも使っていました。こちらも4色です。サピでもらった新しいテキストも教科別にファイルケースに入れて、帰ってきたらファイルケースごと棚のボックスへ。家庭学習が終わっていないテキストがすぐに分かりますね。
家庭学習が終わったテキストがどんどん溜まっていきますが、マンスリーテスト前にもう一度チェックします。テストが終わり、間違えたところの復習も終わってから他の場所へ移動。我が家では息子のベッドの下の段ボール箱に入れていました。範囲のない組分けテストの時にまた見返したりするので、いつでも取り出せるようにしていましたよ。
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「テキスト、いつまで取っておけばいいの?」なんてことも話題になるけど、4年生のテキストは6年生に上がる時に捨てちゃった。でも、5年生のテキストは受験終了まで取っておいたの。理社については、5年生のテキストの方が解説が詳しく載ってたから。
③ 学習スケジュールづくり
ほとんどのお子さんが自分で学習スケジュールを立てられません。計画性を司る脳の司令塔「前頭葉」は脳の中でも一番ゆっくり発達する場所で、10代から20代にかけてが成長のピークなので小学生高学年ではまだまだ未発達なのだそう。
自分で計画を立ててコツコツ勉強ができる女の子を見ると羨ましくてたまらなくなりますが、脳の発達は男の子より女の子の方が早いのでこればっかりは仕方が無いと諦めましょう。。
スケジュールの作り方ですが、インターネットで検索すると1週間のスケジュール表のテンプレートが無料でダウンロードできたりするので、そういうものを使ったり、エクセルで作ったりしました。4年生なら週に2回の通塾のスケジュールに合わせて、〇曜日の〇時から〇分は算数の〇〇の〇ページから〇ページ、とできるだけ具体的にスケジュールを決めてしまうと良いです。
「さ〜て何をしようかな」と考える時間を作らないことです。飽きっぽい男の子の場合は、時間を細切れ(15分から45分)にして、その時間で終わるように内容を区切ると良いです。飽きないようにテンポ良く課題をクリアしていき、小さな「できた!」を日々積み重ねていきます。
勉強する場所を変えるのもオススメですよ。暗記ものはソファーの前にあるローテーブルに常に置いておいて、ソファーに寝転んでやってもOKにしていました。
我が家ではエクセルでチェックリストを作って、終わったものを本人にチェックさせていました。やる気になれない時には、全部クリアしたらお菓子ゲット、とか、ゲーム〇分追加!など小さなご褒美を用意するのも手です。
算数の基礎力トレーニングは朝がオススメです。入試本番直前までずっと基礎トレは続きます。算数の先生にはとにかく基礎トレが一番大事だと言われていました。「朝の基礎トレ」は習慣にしてしまいます。タイマーを使ってくださいね。
先生から基礎トレ10問を7分で、とか言われて、子どもも頑張っていました。計算問題が速く正確に解けると、テストの時に後ろの大問にかける時間が増やせますよね。タイマーは、7分、とか、15分、など細かな時間設定が簡単にできる学習用のものが断然オススメです。ノーミスならゲーム時間を10分追加なんて、人参をぶら下げてやっていました。
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そして、暗記ものは寝る前に。これは有名な話ですが、脳は寝ている間に記憶を整理して定着させるからです。睡眠時間もたっぷり取らないと定着しないそうですよ。
体調やメンタル管理の上でも、睡眠時間は絶対に削っちゃダメです。自身の経験から夜中まで勉強するのが受験勉強だと思っている親御さんが時々いますが、中学受験では睡眠時間を削ってもデメリットしかありません。6年生の後期でも最低8時間は寝かせていました。4〜5年生のうちは9〜10時間寝かせてあげてくださいね。
マンスリーや組分けテストでクラスが変わっちゃって、ブロック落ちしたりすると授業の時間割も変わるから、せっかく良い感じでリズムが出来ていた1週間の学習スケジュールを変えなくちゃならないのが嫌だったなぁ。もちろん上のブロックに上がるのは大歓迎だったけど。
④ 間違えた問題をコレクションする
これは結構手間なのですが、すごく大事です。算数と国語の毎週の授業時にやる確認テストと、マンスリーテストや組分けテストの4教科で、正答率が50%以上の問題を間違えたら、その問題をコレクションしておくのが良いです。(間違いが多かったら、その時のレベルに合わせて正答率70%以上のものだけにするとか、あまり欲張らず無理のない範囲で。)
入試では、理社より算国の配点が大きい学校が多いです。SAPIXはスパイラル方式で何度も同じ単元を繰り返しますが、繰り返す毎にレベルは高くなっていくので、特に算数は確実に理解を積み重ねていきたいところです。週一の確認テストはしっかりおさえておきます。理社が得意で上位にいるお子さんは早めに手を打たないと、6年生になってみんなが理社を仕上げてくる頃に成績が急降下します。とにかく大事なのは算数と国語です。
私が間違えた問題をコレクションするのに使っていたのは、スマホのスキャンアプリ。スキャンアプリで間違えた問題と、その解説と答えを撮影して保存しておきます。週一の確認テストの間違いは、当日か翌日には解き直しをしますが、コレクションしておいたものをマンスリーテストの前にまとめてプリントアウトしてもう一度解いてもらいます。これは効果がありますよ。
Wi-Fiでプリンターに繋がっていると楽です。アプリによっては問題集のようにレイアウトできるものもあるので、お母さんお手製の確認テストが作れます。
この間違いコレクションでまた間違えてしまう場合は再度テキストに戻って確認したり、質問教室に行けると完璧ですが、くれぐれも頑張りすぎには注意です。
我が家では、6年生の春にA3サイズまでプリントできるプリンターを購入しましたが、こんなに効率が上がるならもっと早く買っておけば良かったと思いました。サピのテキストがB4なので、B4がプリントできるとかなり重宝します。過去問をやるようになると、A3もプリントしました。結構大きいものなので躊躇しちゃいますが、入試が終わったらメルカリでわりと高値で売れます。笑
両面印刷の機能は必要なかったですよ。
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間違いコレクションづくりは面倒だけど、日々のルーティンとして淡々とこなす。。これをやっていると「⑤苦手な単元を把握しておく」が自然とできちゃうから。忘れちゃう時があっても大丈夫!
⑤ 苦手な単元を把握しておく
苦手な単元を把握しておいて、その穴埋めをサポートするのもとても大事です。
うちの息子は理科の生物と物理が苦手でした。全く興味が無いからです。男の子は植物に興味がない子が多いですね。理科は、物理(浮力、てこ、滑車など)、地学(太陽、月、星など)、生物(植物、動物、人体など)、化学(水溶液、溶解度など)、など単元がとても多いので、何かしら苦手なものがあるはずです。
理科の苦手な単元についてはよくスタディサプリで同じ単元の講座を見ていました。サピの先生とはまた違ったアプローチで解説してもらえるので理解が深まったみたいですよ。社会も見ました。スタディサプリでも個性的な先生がいるので楽しんでいました。算数については、サピの先生と教え方が違って混乱するといけないので見ませんでした。
苦手単元を把握していると、何気ない日常生活の中で「これはあの時に習ったね。覚えてる?」とクイズを出して知識の定着を助けることもできます。効率の良い覚え方を本やネットで調べたりすることもできますよね。時間がある時に暗記カードを作って親子対決したりしました。
学校によって入試問題の傾向がはっきりとあって、入試問題は学校からのラブレターなんて言われたりもしますが、苦手分野を把握しておくことは志望校選びの際にも役立ちますよ。これが、中学校との相性というものなんだと思います。
4年生のうちに苦手と思っていたものが後になって得意になるケースももちろんあるから、苦手だと決めつけるのはまだ早いけどね。
⑥ 志望校調べ、文化祭や体育祭、学校説明会などのイベントに参加
新型コロナが出てきてから、学校に実際に足を運べなくなってしまって、受験勉強をするお子さんのモチベーションを上げたり、維持することが難しいという話を聞きます。これは本当に困っていらっしゃるんじゃないかな。。残念なことです。
息子が4〜5年生の時はまだ新型コロナの前で、普通に文化祭や説明会に行けたので、遠くて実際に通うのは無理かなという学校でも、校風が合いそうとか、面白そうという学校には行ってみました。6年生になると塾やテストで本人は忙しくて行けなくなってしまうので、4〜5年生のうちに可能れあれば実際に足を運んで、生徒さんや先生や学校内の雰囲気を肌で感じることをオススメします。
ここは違う、とか、思っていたよりも良い感じ、など、本人の直感はかなり当てになります。なので、見学の時はあまり親の意向や感想を伝えず、本人に素直に感じてもらったほうが良いですね。行ったら得るものは必ずあるので色々な学校のイベントスケジュールをチェックしてみてください。
校風マトリクスという表がとても参考になりますよ。自主性を重んじるか、管理系か、革新・体験を重んじるか、保守・知識を重んじるか、それぞれの校風が分布図になっています。自分で考えて動きたいタイプのお子さんは自主性を重んじる学校が合うし、様々なプログラムを用意して手厚く管理してくれる環境の方が伸びるタイプのお子さんは管理系の学校が良さそうです。偏差値だけで決めずに、うちの子”らしい”と思える学校探しをしてくださいね。
息子が好きそうだと思って、4年生の時に文化祭に行った学校に今通ってるの。電車で1時間半くらいかかるけど日々楽しそう。その時にピンときた本人の感覚はやっぱり正しかったみたい。
⑦ 送り迎え
SAPIXでは集中力が途切れるという理由で休憩が無いので(トイレはいつでも行けます)、小学校の後、サピの授業が始まるまでに軽食を食べさせていました。家に帰る時間がなかったので、待ち合わせをしてランドセルと塾バッグを交換。用意しておいた軽食をサピの軽食用の部屋で食べたり、カフェで待ち合わせして食べさせたりしました。
週2回ならまだいいですが、5年生になると週3回で結構忙しい。。それも今となっては一緒に頑張った良い思い出です。6年生になると平日は週2回。お母さんと一緒にいるところをお友達に見られたくないと思うようになるので、朝から塾バッグで登校し、夏でも痛まない食べ物、ゼリー飲料やソイジョイなんかをバッグに入れておきました。足りなければ自分で買わせたりもしました。コンビニで何かを買うのが嬉しいお年頃です。
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息子は電車に乗って中規模校舎に通っていたので出来るだけ通塾の負担を減らしてあげたいと思い、帰りは最寄り駅まで迎えに行っていました。
4年生のうちは、他のお友達が遊んでいる中、塾へ向かう息子の背中を見て、本当にこれで良いのかなぁなんて心配になったりもしたけど、時間があったらどうせゲームするだけだっただろうし、頑張ったおかげで多感な中高の6年間をのびのびと過ごすことが出来るのは本当に良かった。。
⑧ 体調管理
サピの授業は一度休むと結構しんどいですね。家庭学習がしんどくなります。特に算数。そして体調を崩すと家庭学習のペースも乱れて、一度乱れたペースって取り戻すのに苦労するので、とにかく出来るだけ休まずに行って欲しかったですね。
いつも順位をつけられて戦っていますから、いくらお友達と楽しく通塾して、先生も授業も面白いとはいえ、ストレスもあるはずです。体力的にも精神的にも安定した状態でいるために、生活リズムを崩さないように気をつけていました。手づくりの温かい食事で栄養もしっかり摂れるようにしたいです。子ども用のサプリも利用していましたよ。過酷な中学受験に挑む小さな体と心を支える一番大事な要素は、愛情たっぷりの日々のごはんだと思います。
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全然関係ないけど、αクラスの子たちが持ってるお菓子は梅系が多かったからって、真似して梅系お菓子を食べてた息子w お菓子は塾に持って行っちゃダメだって言われてたけど、ダメって言ってもみんな通塾途中に食べてたみたい(小声)。